2017年1月14日土曜日

18歳では遅すぎる?オランダの「センター試験」は12歳

今年も受験シーズンが始まりました。大学全入時代といわれる一方で、教育格差といった問題にも注目が集まっています。

高い授業料を払って大学に行く意味があるのだろうか。

そんな問いも繰り返されます。大学をめぐって、いろいろな制度が揺らいでいるようにも思えます。

私自身海外で生活するようになり、日本と全く違う制度が今住むオランダにあることを知りました。オランダでは、大学進学について悩むのは12歳です。

12歳の「センター試験」とは

オランダでは小学校卒業時に将来の進路がほぼ決まります。12歳の小学校卒業学年にCITOテストという全国共通学力試験が実施されます。試験期間は3日間、試験科目は国語、算数、理科、社会、総合学習能力です。日本の大学入試センター試験のように一斉に行います。

実際にはこのテストの結果だけはなく、これまでの学校の成績、普段の学習態度、本人の興味や希望を考慮して、事前に先生から進路のアドバイスがありますが、試験結果が出た後に、小学校卒業後の進路が最終的に決まります。

小学校卒業後は3つのコースに分かれます。大学進学中等教育(6年)、上級一般中等教育(5年)、職業訓練中等教育(4年)があり、どのコースも最初は共通のカリキュラムですが、進級するにつれて、それぞれ教育内容が大きく変わってきます。大学進学中等教育の卒業試験合格者が大学に進学することになります。大学進学中等教育に進むことができるのは全体の2割もいませんが、そこから落第することもあり、卒業試験をパスすることは簡単ではありません。大学はまさにエリートを養成する所です。

これでは、12歳の受験競争が激しくなるのではないかと心配してしまいますが、そういうことはないようです。試験の準備をしたいと先生に相談すると、子どものいつもの力が出せればいいから準備の必要はないと言われます。小学校では、宿題がないのが普通で、時間割をきちんと決めていない学校もあります。子どもは自由でよく遊ぶことが大切。意欲やレベルに合わせて学習を進めるので、小学生のうちから勉強熱心になる風潮自体がないようです。

教育はお金がかかるからこそ

小学校卒業時の試験も、子どもの学習到達度を比較するというより、むしろ、先天的な能力や適性を判断することが重視されているようです。先生から見れば、12歳の時点でそのような能力はすでに明確になっている、ということでした。

本人や家族が大学進学を希望していても、試験の成績が良くなければ認められません。逆に試験の成績が良くても、勉強への意欲がないと先生が判断して、大学進学コースへ進むことを認めてもらえないこともあります。もちろん、後から本人の努力次第で、大学進学コースに編入し進路を変えることもできますが、それは簡単なことではなく、最低1年は余計にかかることを覚悟しなくてはなりません。

子どもの適性に合わせて、将来の進学、就職に直結した教育を行うこの制度は有効だと考えられているようです。社会的な投資として教育に莫大な費用をかけるのだから、効率的に、効果的に行うべき、いうことなのでしょう。このような教育制度は、オランダ特有というわけではなく、他のヨーロッパの国にもあるようです。

オランダでは18歳までが義務教育で基本的に無償です。大学進学中等教育を卒業できば、医学部などの人気学部を除いて、どこでも好きな大学に進学することができます。塾の授業料や大学受験費用も必要ありません。大学は授業料がかかり、近年値上がりが批判されていますが、年間30万円程度の負担です。

何のための進学か、明快に答える先生

自分の子どもが12歳でこの試験を受けることを想像すると、ちょっと私には受け入れられないと思いました。

「12歳で判断するのは早すぎる。もっと子どもの力を見出したり、可能性を広げたり、親や先生がもっと努力できるのではないですか。そのうえで進路を考える機会があった方がいいのでは。」

私は、思ったことをそのままオランダの小学校の先生に聞いてみました。

「うちの子はもっと勉強ができるはずだから大学に行かせたい、と教師に言う親は多いわね。でも、大学に行くことが幸せとは限らない。医師や弁護士になることが幸せだとは限らない。自分の適性に合った職業に就いて社会に貢献できることが幸せにつながるのではないかしら。」

親の立場からは良い制度だと思えなかったのですが、考えさせられる問題は大切なものでした。


野口由美子


2017年1月4日水曜日

ママが一番じゃない?子どもの心も複雑です

あけましておめでとうございます。
当ブログに訪問いただきありがとうございます。

昨年は、ブログを通じて、いろいろな方と接する機会をいただきました。
ブログをやっていなかったら、決して接点を持つことがなかっただろう方々との関わり合い、とても貴重な経験になっています。

今年も多くの方との出会いを大切にしていきたいと思います。Facebookでのブログへのコメント、Twitterのメッセージ、Instagramのいいね。メールや電話、お手紙。どれもいいものですね。

どうぞ今年もよろしくお願いします。


最近私の子どもたちは友達の家にお泊りし合うのが流行っていて、その時のエピソードから記事を書きました。ご覧いただけるとうれしいです。

ママのための子育て情報WEBマガジン「ママスタセレクト」

「ママが一番」じゃない子が見せた意外な行動

この時うちに泊りに来た子は、下の子の友達で、5歳のフランス人の女の子。母親は仕事で家にいないことが多く、ほぼ父親(時々シッターの女性)が子どもたちの世話をしているそうです。私自身その子の母親とメッセージのやり取りしかしたことなく、会ったことすらありません。遊ぶ約束をするのも父親の方に話します。

うちに泊まりに来た翌日の土曜日は母親が在宅していると聞いていたので、その子を家まで送っていきましたが、行ってみたら外出していてシッターの方しかいませんでした。

もうちょっと母親も子どもと一緒にいてあげないと、子どもがかわいそうじゃない?

ご自身もそう思うことがあるかもしれませんし、他人からそう思われてしまうこともあるかもしれません。

でも、母親が一緒にいる、いないということ以上に、その子にとってはママが一番で、母親の愛情を感じていられると安心できるみたいです。母親が実際に一緒にいるから感じられる、というものではないのですね。

母親が一緒についていなくても、子どもの心は母親の愛情に満たされているのかもしれません。そんなことを感じずにはいられない夜でした。


野口由美子

2016年12月21日水曜日

「貧困家庭で育った僕自身知りたかった」学生たちが語り合った、子どもの貧困とは?

2016年12月3日東京・代々木の国立オリンピック記念青少年総合センターで「あすのば子ども委員会」が開かれました。子ども委員会は、2015年に、子どもの貧困対策センターあすのばの組織として発足し、大学生を中心とした学生たちによって運営されています。

今回の子ども委員会では貧困家庭の高校生、大学生を中心に約40名が参加しました。学生たちが集まり、どのようなことが話し合われたのでしょうか。委員会の企画・運営に関わってきたあすのば学生理事・佐藤寛太さん(名城大学4年)に聞きました。



あすのば子ども委員会のようす
(出典: あすのばFacebookページ

見過ごされてきた思いを知りたい

「子ども委員会では、社会への問題提起とか、具体的な解決策とか、そういう成果のようなものを出そうとはしませんでした。感じたことや考えていることを自由に吐き出してほしかったのです。小さな困りごとや、もやもやした思いのかけらを集めることが、今の僕たちができることなのではないか。そこから僕らが考え、行動につなげていく、そういう流れを作っていきたいと考えました。」

「話し合いは6名ほどのグループごとに行われました。各グループが好きなキーワードを選んで自由に話し合ってもらいます。」

「僕たちが用意したキーワードは、
「奨学金、進学、地方と都市、学園生活、働くとは、困りごととは、ファッション、アルバイト、部活、流行、SNS、恋愛」
でした。あえて「貧困」という言葉をキーワードから外したのは、貧困という言葉で自分たちを一括りにしたくないと考えたからです。貧困という括りを取り払ったことで、本当にいろいろな話ができましたし、多くの引っ掛かりを僕たちに残したと思います。」


働くことは、家庭をあきらめること?

「話し合いでは、子育てしながら働くことを受け入れてくれる職場がまだ少なく、特にひとり親の働く環境は厳しいと話す子がいました。都市よりも地方に住んでいる子が強く感じているようです。」

「貧困世帯の低い賃金で働いている親は、労働時間も長くなるので、子どもとコミュニケーションを取る時間が圧倒的に少なくなります。親は学校からの手紙に目を通そうと思っていても、見落としてしまうことがあります。仕事が忙しくて時間がないのです。それで、小学生くらいであれば、学校で必要なものを親に用意してもらえないまま、学校に行くことになりますし、中学生や高校生になると進路の相談も親にできません。それは子どもにとっては、つらいことです。」

「僕自身の場合、母親が一人で家計を支えていましたが、母は非正規雇用の低い賃金で働くしかありませんでした。僕たち子どもの世話だけでなく、祖父の日常生活の世話も母がしていたので、正社員となってフルタイムで働くことができなかったのです。正社員になって収入を増やすことと僕たちや祖父のための家庭生活は両立できませんでした。」

「学校から帰ってきた子どもが親と話したり、夕食を共にできたりするような働き方ができて、世帯の年収が400万円あればいいのに、と具体的な金額を挙げる子もいました。その場にいた子たちはこれに満たない家庭がほとんどだったので、夢というか理想を話している気持ちだったと思います。」

大学に行けないのは家が貧しいから?努力が足りないから? 

「家庭の経済環境で進路の幅が狭められていると感じている子は多いと、今回の話し合いで実感しました。」

「経済的に苦しいのであれば進学に目を向けずに働けばいい、と言われることもあります。最初から働くしか道はない、と言われてしまうと、進学するために勉強して努力しようという気持ちも起きない、あきらめてしまう、と正直な気持ちを話す子もいました。」

「確かに今も、貸与型の奨学金制度はありますし、独自の奨学金制度を設けている大学もあります。しかし、それでも「どうせ自分なんて」と進学をあきらめるしかないと高校生に思わせてしまう状況があるのではないかと思います。実際、奨学金の返済を考えると躊躇してしまうこともあるだろうし、国立大学であっても学費は高いです。」

「一方で、友達が大学に行くから自分も進学したいと安易に思ってしまっているかもしれない、と自分を戒めるような意見もありました。進路の選択は誰にとっても迷うものだと思いますが、家庭の状況が制約とならずに自分で進路が選択できるようになってほしいです。」


社会とは「厳しい」ものなのか?

子ども委員会で語り合われた話からは、食べるものや着るものが全くないわけではないけれど、生活のいろいろな局面で、自分はあきらめるしかないと言い聞かせる子どもの姿が浮かびあがってきます。「仕事と家庭の両立」に困難を感じたり、「自分らしい進路の選択」に悩んだり。貧困であるかに関わらず、多くの人にも通じる悩みであるように思いました。それは家庭の経済状況が苦しい彼らに、より切実に「あきらめるしかない」問題として降りかかっています。

「そんなことお金がないなら我慢すればいい、何とかしたいならもっと自分で努力すればいい。社会ってそういうものだと言ってしまえばそれまでなのですが。」
自分を含めた多くの参加者がそういう「もやもやした思い」を抱えていた、と佐藤さんは最後に話していました。

社会とはそういう厳しいものだと彼らに言うべきなのでしょうか。

誰にとっても、もっと生きやすい明日がある、という思いで「あすのば子ども委員会」は、これからも活動していきます。


子ども委員会は現在、全国で街頭募金の呼びかけを行っています
(出典: あすのばウェブサイト


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子どもの貧困対策センター公益財団法人あすのば
ウェブサイト
フェイスブックページ

あすのば子ども委員会
フェイスブックページ
ツイッターアカウント@usnovayouth

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野口由美子

2016年12月15日木曜日

乳児用液体ミルク、日本ではやっぱり必要ない?

災害時に海外から救援物資として届けられたことがきっかけとなり、日本でも知られるようになった乳児用液体ミルク。その製造販売について政府が検討を始め、日本も「解禁へ」という方向にあるようです。

日本での液体ミルクのメリットについて、

  • 災害時の備え
  • 男性の育児参加を促進
といった観点がニュースなどで強調されているのをよく見ませんか。

地震などの災害に備えることも、男性の育児参加を促進することも、日本では大切なことと考えられているので説得力があるのかもしれません。


でも、液体ミルクを、非常食として、とか、育児に慣れない人のために、とか、「特別な時」の利点を強調するのはなぜなのでしょう。非常時の需要は限られたものでしかないでしょうから、特別な時のために各家庭に買い置きしておく程度だったら、日本でわざわざ製造する必要もないように思います。普通に考えたら、非常時に発揮するメリットよりも、「日常生活」の中でのメリットの方が、より大きな需要を生むのではないかと疑問に思いました。


日本の状況を理解するためにもなるかと思い、改めてイギリスのミルク事情について調べて記事を書きました。ご覧いただけるとうれしいです。

ママのための子育て情報WEBマガジン「ママスタセレクト」

使ってみたい? 乳児用液体ミルク。一番気になる値段について考えてみた 

記事の中では、普及にはやはり値段が一番問題になるだろうということで、値段の話が中心になっていますが、当然ながら、液体ミルクに対する認識もイギリスは違うようでした。

液体ミルクは日常生活の中で以下のメリットが大きいと思います。

  • 外出時や夜中など、調乳の負担軽減
  • 粉ミルクより高い安全性
イギリスでは、災害の備えや男性のためというより、日常生活のメリットが広く認識されているから、普及しているようです。

日本では、「母乳をあげるべき」母親が液体ミルクを使って「楽をする」ことに対して厳しい視線があるように感じます。それに配慮しているのか、このようなメリットはあまり大きな声で語られていないのかもしれません。


改めて、日本の母親へのプレッシャーの大きさを感じます。多くの母親は、本当に一生懸命赤ちゃんの世話をしているわけで、母乳か粉ミルクか液体ミルクかということ関係なく、えらい!と私は思っていますが、何か違うようです。

それでも、液体ミルクは日本でも普及してほしいですし、きっとそうなると思います。


野口由美子


2016年12月8日木曜日

子どもの病気、ネットで検索したらダメですか

日本で医療情報を扱うサイトの信頼性が問題となり、閉鎖されるニュースがありました。子どもを持つ親だったら、自分のことよりも、子どもの病気をネットで調べることが多いのではないでしょうか。そんな観点で記事を書きました。ご覧いただけるとうれしいです。

ママのための子育て情報WEBマガジン 「ママスタセレクト」


記事の中で、英語などで病気のキーワード検索をしてみて、海外の医療情報サイトを親の視点で比べてみました。

イギリス、オランダでは、国の機関や全国組織の医師会のような代表的機関が積極的に情報提供していました。私のような素人でも、知りたい情報にたどり着けるように、しかもわかりやすい内容のサイトを運営していました。ネットでの医療情報の発信にむしろ力を入れているようです。

日本でも似たようなものはあるのですが、地方自治体が独自に提供していたり、病院が単独で運営していたり、情報が分散している上に、検索していてすぐに見つからないことが多い印象を受けます。比較してみて気が付きましたが、日本の状況はひどいです。

厚生労働省が子どもの親向けに提供する医療情報としては、小児救急でんわ相談が一番しっかりやろうとしている印象を受けました。夜間でも医師や看護師に直接電話で子どもの病気の相談ができるというのは心強いものです。

しかし、そういう電話相談があったとしても、子どもが病気になった時はネットで検索するのが先、という人が多いのではないでしょうか。私自身、小児救急でんわ相談に電話したことは1回だけ、ネットで病気を検索した回数は数えきれないくらいあります。

ネットで得られる情報は確かに玉石混交で、問題も多いですが、ネットの情報に全く頼らない生活に戻ることはもうできないと思います。日本でもそういう今の時代に合った情報提供が整備されなくてはならないと思います。


野口由美子

2016年12月1日木曜日

サンタクロースのプレゼントを待つ子どもたちと、私の作戦

早いもので、もう12月。クリスマスが近づいてきました。我が家は、クリスマスにサンタクロースからプレゼントが来るので、親の私たちもこの時期は準備に余念がありません。

以前、ネットでプレゼントを注文したらお店に在庫がなく、違う商品に変えてくれない?と連絡がきたり、ある時は宅急便が隣の家に届いてしまい、隣の人が持ってきてくれたものの、子どもに搬入を見られないかとハラハラしたり、大きいプレゼントを日中私1人で隠し場所を確保するのに一苦労したり、いつもドキドキしながら準備します。毎年クリスマスの朝に子どもがプレゼントを開けるまで、親の方がむしろ楽しんでいるかもしれません。

今年も子どもたちはサンタクロースに手紙を書きました。手紙を書くのも楽しい時間です。






今のところ、サンタクロースがプレゼントを持って来ていると思っている子どもたち、この子たちもいつかは説明が必要になるでしょうし、大きくなったらプレゼントをあげる側になってほしいものです。どう説明してあげたらいいのでしょうか。

サンタクロースのことについて、こんな記事を書きました。

ママのための子育て情報WEBマガジン「ママスタセレクト」
いつまでサンタクロースを信じている? 子どもの夢を大切にする「卒業」の仕方

サンタクロースはたくさんの子どもたちにプレゼントを配るのが大変だから、大きくなった子は小さい子に譲ってあげて、という説明の仕方を教えてもらいました。私もこの「卒業」方法を実践しようと心に決めたのですが、記事の中にあるように子どもたちの同意は得られませんでした。来年以降もこの作戦を継続するつもりです。

サンタクロースは、プレゼントをもらう側にもあげる側にも、夢があります。我が家は今年も準備万端です。


野口由美子

2016年11月25日金曜日

子どもの貧困 全国集会開催へ バッシングを乗り越え、子どもたちの声を伝えたい

公益財団法人あすのばは、子どもの貧困対策のさらなる進展のために、124日(日)、東京・代々木の国立オリンピック記念青少年総合センターにて、全国集会を開催します。

前回のあすのば全国集会のようす1
(出典:子どもの貧困対策センターあすのばフェイスブックページ


前回のあすのば全国集会のようす2
(出典:子どもの貧困対策センターあすのばフェイスブックページ


あすのばは、子どもが「センター」(真ん中)であるべきという考えのもと、子ども自身の声を大切にしながら活動しています。この全国集会では、学生たちが中心となって、当事者である子どもたちの声を直接伝えようと準備を進めています。学生理事として活動している佐藤寛太さん(名城大学4年)に、その内容について聞きました。

集会の準備を進める佐藤さん(中央)たち
(出典:子どもの貧困対策に子どもの声を!第2回あすのば全国集会フェイスブックページ

当事者の高校生、大学生が登壇し、自らの経験を語ります

「相対的貧困は見えにくく、外からはわかりにくいものです。当事者が自ら声を上げることもなかなかできないと思います。ちょうど夏に、テレビで報道された貧困の高校生に対するバッシングがあり、貧困世帯の子ども自身が声を上げることは今まで以上に難しくなりました。それでも勇気を出して登壇する彼らの声は、貴重だと思います。」

貧困にある子どもの日常生活の「困りごと」を伝えます

「日常生活の中で子どもが感じる困難から見えてくる問題があるのではないか、と思っています。全国集会の前日に「子ども委員会」を開き、当事者の高校生、大学生が気楽に話し合う場を設けます。そこで共有された思いや困難を全国集会で報告する予定です。どんな内容になるかは当日までわかりません。たとえば、僕自身の経験なのですが、高校生の時、パソコンを使う宿題が出たのですが、家にパソコンがなくて困ったことがあります。些細なことかもしれないのですが、子どもたちが日常生活の本音を拾い上げることができるのは僕たちだと思っています。」

給付型奨学金について学生によるディスカッションを行います

「給付型奨学金については今とても注目されているトピックです。今の奨学金制度について、卒業後の返済が苦しいということを問題にすると、「返さなくてはならないことはわかっていたはずだから、借りた方が悪い」というような批判もあります。しかし、借りる高校生に対してきちんと説明されていたかというと、必ずしもそうではないのではないか、と疑問が残ります。学生が自分の経験をベースに、奨学金制度の問題点や解決策について話を深めていきたいです。」

佐藤さん(左端)と共に当日ディスカッションに参加する学生たち
(出典:子どもの貧困対策に子どもの声を!第2回あすのば全国集会フェイスブックページ

佐藤さん自身も3歳の時に父を亡くし、現在は奨学金を利用して大学に進学しています。忙しい学生生活の合間を縫って、全国集会の準備に取り組んでいます。子どもが置き去りにならないために、大人である私たちが彼らの声に耳を傾けることが大切ではないでしょうか。

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参加者募集中です。是非会場に来てみてください。
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野口由美子